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前眼部形成不全を伴う先天性翼状片:Rubinstein-Taybi症候群におけるまれな眼症状。
アブストラクト
翼状片は良性の結膜下組織の翼状線維血管の過成長で、角膜を侵すことがある。この病態は通常20〜40歳に発症するが、小児にみられることはまれである。われわれは、星雲様斑状角膜混濁と先天性翼状片を呈したRubenstein-Taybi症候群の乳児の症例を報告する。麻酔下での検査で、鼻甲介結膜に由来する白っぽいピンク色の組織を伴う両側鼻下黄斑部角膜混濁(6×5mm)が認められた。プローブテストではこの組織は陰性であった。我々の知る限り、先天性翼状片の報告は他に2例しかない。この異常の存在は、翼状片の発生に遺伝的要因が関与しているという仮説を支持するものである。