COVID-19パンデミックが小児および若年成人ALLの治療利用率と費用に及ぼす影響。
アブストラクト
目的:急性リンパ芽球性白血病(ALL)は、小児期に最も多い悪性腫瘍であり、若年成人においても最も多い悪性腫瘍のひとつである。COVID-19の大流行は、医療の利用と提供に大規模な世界的混乱を引き起こした。本報告の目的は、COVID-19パンデミックが小児および若年成人ALLの発症、診断、継続的管理に及ぼした影響を、米国の商業保険加入者における医療利用および医療費に関して検討することである。
結果:民間保険請求データベースを利用し、2016年1月から2021年3月までにALLと診断された小児および若年成人患者529例を同定した。新規診断は時代および人口統計学的に評価した。利用は、COVIDに関連する時代別に、入院および外来受診回数、入院日数、治療開始8ヵ月間の累積費用として測定した。パンデミック中あるいはパンデミック直後に、これらの費用や利用因子はいずれも大きく変化しなかった。これらの知見は、COVID-19のパンデミックによって医療制度が大きく変化したにもかかわらず、小児および若年成人ALLに必要な医療が揺るぎないものであったことを補強するものである。このことは、パンデミックが健康の公平性とケアへのアクセス、特に脆弱な小児・若年成人集団に与えた影響に影響する要因をさらに検討する上で、貴重な指標となる。これは、COVID-19パンデミックが小児および若年成人癌の医療利用および医療費に及ぼす影響に関する初めての調査である。