妊娠前の母親の体重と妊娠中の体重増加が臍帯血メタボロームに及ぼす影響:症例対照研究。
アブストラクト
背景:母親の過体重・肥満や過度の妊娠時体重増加(GWG)は、新生児の肥満やその他の代謝異常の危険因子であることがしばしば報告されている。臍帯血代謝産物は、胎児の栄養および代謝の健康に関する情報を提供し、新生児の潜在的な健康問題を早期に発見する窓口になり得る。本研究の目的は、母親の妊娠前の過体重・肥満と過剰なGWGが臍帯血代謝プロファイルに与える影響を探ることである。
方法:妊娠前の過体重・肥満の母親とその新生児33組、過度のGWGの母親とその新生児30組、対照の母親と新生児32組を含む症例対照研究。UHPLC-MS/MSを用いて臍帯血サンプルの非標的メタボロームプロファイリングを行った。
結果:過体重および肥満の母親の臍帯血では、標準体重の母親と比較して、46の代謝物が有意に増加し、60の代謝物が有意に減少した。ステロイドホルモン生合成と神経活性リガンド-受容体相互作用は、これらの代謝物が濃縮された上位2つの経路であった(それぞれP = 0.01と0.03)。正常なGWGの母親と比較して、過剰なGWGの母親では、臍帯血において63の代謝物のレベルが増加し、46の代謝物のレベルが減少した。不飽和脂肪酸の生合成は、これらの代謝物に富む最も変化した経路であった(P < 0.01)。
結論:妊娠前の過体重と肥満は胎児のステロイドホルモン生合成経路に影響を及ぼし、過度のGWGは胎児の脂肪酸代謝に影響を及ぼした。このことは、妊娠前の減量と適切なGWGの維持の重要性を強調するものであり、これらは子孫の長期的な代謝の健康にとって有益である。