妊娠と先端巨大症:ドイツ先端巨大症登録のレトロスペクティブ分析データの臨床転帰。
アブストラクト
背景:先端巨大症は、成長ホルモン(GH)の過剰分泌によって引き起こされるまれな疾患であり、その多くは下垂体腺腫によって誘発される。先端巨大症の妊婦のケアは困難であるが、その一因は、既存の臨床データが限られており、母児に対する潜在的リスクに関して完全には一致していないことである。
目的:先端巨大症患者における妊娠、母体および新生児の転帰に関するデータをレトロスペクティブに検討する。
デザインおよび方法:German Acromegaly Registryの施設で治療を受けた31人の女性の47妊娠のレトロスペクティブデータ解析。
結果:対象女性の87.1%が妊娠前に経蝶形骨手術を受けていた。51.1%において、妊娠前にドパミンアゴニストとソマトスタチンアナログの併用が行われた。3人の女性は先端巨大症の治療を受けていなかった。妊娠中にソマトスタチンアナログまたはドパミンアゴニストを投与されたのはわずか6.4%であった。合計すると、記録された全妊娠の70.2%が自然妊娠であった。妊娠糖尿病は10.6%、妊娠高血圧症候群は6.4%であった。全体として早産は検出されなかった。実際、先端巨大症の女性の87%が合併症なしに出産を経験している。
結論:先端巨大症女性の妊娠は可能であり、妊娠経過は、先端巨大症に対する特異的治療の有無にかかわらず、母子ともに一般的に安全である。妊娠糖尿病などの代謝性疾患を合併する有病率は、健常妊婦の有病率と同程度である。とはいえ、先端巨大症の妊婦に安全で効果的なケアを提供するためには、先端巨大症の妊婦を対象とした、より多くのデータを含む大規模な研究が必要である。