中国南部、深圳市の思春期女児の保護者における、政府によるヒトパピローマウイルスワクチン無料接種に対する意欲とためらい。
アブストラクト
背景:2020年以降、中国は様々なパイロットプログラムを通じて、対象となる思春期の女児に対するHPVワクチン接種を積極的に推進している。本研究では、中国南部の深圳市において、思春期の女児を対象とした政府後援の無料ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種に対する親の意欲と躊躇について調査した。
方法:2022年6月から8月にかけて、7年生になる女児の保護者を対象に横断調査を実施し、ワクチン接種のためらいを評価するためにVaccine Hesitancy Scaleを適応し、国産ワクチンの無料接種を受け入れる意思に影響する要因を特定するためにロジスティック回帰を用いた。
結果:回答者2856名のうち、調査前に娘にHPVワクチンを接種していたのはわずか3.4%であったが、91.7%は政府によるワクチン接種サービスを利用する意思があった。公立学校に通う子どもを持つ親(χ = 20.08, p < 0.001)、より確実な医療保険に加入している親(χ = 4.97, p = 0.026)、自身がHPVワクチンを接種したことのある親(χ = 28.829, p < 0.001)は、無料ワクチンにより消極的であった。ワクチン接種のためらいは、わずか2.1%にみられたが、複数の要因で調整した後でも、ワクチン拒否の有意な予測因子であった(調整後OR = 15.98, 95% CI: 9.06, 28.20)。注目すべきは、未接種の娘を持つ親の約5分の4が、国産ワクチンの安全性と有効性に懸念を抱いていたことである。
結論:保護者は政府の予防接種サービスを利用することに強い意欲を示しているが、安全性への懸念や輸入ワクチンへの嗜好に起因する保護者のワクチン接種へのためらいは、予防接種普及の大きな障壁となっている。本研究は、HPVワクチン接種率を効果的に向上させるために、これらの問題に対処する多面的な介入戦略の必要性を強調している。