ベルギーにおける2型糖尿病の将来負担:マイクロシミュレーションモデル。
アブストラクト
目的:2030年までのベルギーにおける2型糖尿病の年間負担とそれに関連する社会人口学的格差を予測する。
方法:本研究では離散事象推移マイクロシミュレーションモデルを用いた。0~80歳のベルギー人口の2018年全国登録データと、連鎖方程式による多重インピュテーション(MICE)を用いて最新(2018年)のベルギー健康面接・検査調査から得られた糖尿病リスク因子の全国代表有病率を用いて、合成複合データシミュレーション(simPop)モデルの入力として合成集団を作成した。死亡率情報はベルギーの生命統計から入手し、年間死亡確率の計算に使用した。2018年から2030年まで,フィンランド糖尿病リスクスコアによって予測される2型糖尿病の発症の有無にかかわらず,合成個人は毎年健康から死亡に移行し,リスク因子は層別の移行確率によって更新された。
結果:2018年から2030年にかけて,ベルギーでは人口10万人あたり6722例[95%UI 3421, 11,583]の2型糖尿病新規発症が予測され,これはT2D有病率とDALYs率がそれぞれ32.8%と19.3%増加することを意味する。ベルギーの3つの地域すべてにおいて、T2Dの負担は低学歴のサブグループで最も高いままであるが、2030年までに罹患率と有病率が最も高くなるのは女性全般であり、特に高学歴のフラマン人女性では有病率が114.5%、DALYs率が44.6%増加する。2030年には、3つの地域すべてにおいて、年齢と学歴に関連した既存の不平等が残るであろう。
結論:ベルギーにおけるT2Dの負担増加の予測は、一次および二次予防戦略の緊急の必要性を強調している。低学歴層に重点を置くべきであるが、社会経済的地位の高い人々に対する戦略を強化することも重要である。