脂肪酸に関連する食事パターンと中国人小児の過体重および肥満との関連。
アブストラクト
背景:小児の過体重と肥満は、栄養不良の新たな様相を呈しつつある。本研究の目的は、脂肪酸(FAs)関連の食事パターンを開発し、中国の小児におけるFAs関連の食事パターンと過体重および肥満との関連を検討することである。
方法:中国中南部の4~7歳の子供435人を対象に観察研究を行った。赤血球中のFAs組成はガスクロマトグラフィー質量分析法により分析した。食事は食物摂取頻度調査票により収集し、食事パターンは縮小順位回帰により評価した。食事パターンと過体重および肥満との関連を調べるためにロジスティック回帰分析を用いた。
結果:中国の小児における過体重、肥満、過体重または肥満の有病率は、それぞれ6.52%、4.59%、11.11%であった。小児の赤血球からは25種類のFAsが検出され、4種類のFAs関連食事パターンが同定された。n-3 PUFAsと正の相関を示し、SFAsとは負の相関を示す食事パターンは、魚、エビ、カニ、貝類、葉物野菜、ナッツ類、塊茎類の摂取が多いことが特徴であり、これらは過体重リスクを有意に減少させた(OR = 0.580, 95%CI: 0.375 ∼ 0.895, P = 0.014)。n-6系PUFAsと正の相関を示し、n-3系PUFAsと負の相関を示したパターンでは、スナック菓子、葉物野菜、生豆類、粗びき穀類の摂取量が多く、肥満リスクが有意に低下した(OR = 0.518, 95%CI: 0.325 ∼ 0.827, P = 0.006)。
結論:4つのFAs関連食事パターンが同定された。魚、エビ、カニ、貝類を多く摂取する食事パターンは、n-3 PUFAsを増加させ、SFAsを減少させることにより、過体重リスクを減少させた。植物性食品を多く摂取する食事パターンは、n-6/n-3 PUFAsのバランスがとれており、肥満リスクを減少させた。