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神経性食欲不振症の青年における網膜神経線維層および脈絡膜層の菲薄化:対照研究。
アブストラクト
目的:神経性食欲不振症の青年における網膜神経線維と脈絡膜の変化を、スペクトル領域光干渉断層計を用いて評価することを目的とした。
方法:神経性食欲不振症患者30名と12~18歳の健常青年30名を本研究に組み入れた。年齢、性別、肥満度、神経性食欲不振症のタイプ、罹病期間、スペクトル領域光干渉断層計のデータを記録した。
結果:神経性食欲不振症患者では、中心黄斑厚および側頭部と下部の網膜神経線維層厚が健常対照群と比較して有意に薄かった(p<0.05)。さらに、食欲不振患者では窩縁および窩縁下領域の脈絡膜の有意な菲薄化が観察された(p<0.05)。さらに、罹病期間の延長と下網膜神経線維層の菲薄化との間に統計学的に有意な関係が検出された(p<0.05)。
結論:食欲不振患者では網膜神経線維層と脈絡膜層の厚さが健常対照者よりも薄かった。網膜指標のスクリーニングは、神経性食欲不振症の青年における不可逆的な網膜病変の発症を予防する可能性がある。さらに、網膜神経線維層および脈絡膜層の薄層化は、神経性食欲不振症の青年の脳の構造的または機能的変化を反映している可能性がある。