掲載日:
エチオピアにおけるSARS-CoV-2の血清有病率と変異体の長期モニタリングにより、免疫と交差免疫の予測が可能になった。
アブストラクト
COVID-19の過少報告と、循環しているSARS-CoV-2亜種に関する限られた情報は、多くのアフリカ諸国にとって依然として大きな課題である。われわれは、エチオピアのアディスアベバとジンマにおけるSARS-CoV-2感染の動態を、再感染、免疫、ワクチン接種効果に焦点を当てて分析した。2020年8月から2022年7月にかけて、4723人の集団で5回のデータ収集による抗体血清学研究を実施し、PCR検査陽性サンプルの塩基配列を決定し、入手可能な検査陽性率を用いて、このデータを統合した2つの数理モデルを構築した。多変量モデルは、野生型、アルファ型、デルタ型、オミクロン型BA.4/5を研究集団における重要なバリアントとして同定し、バリアント間の交差免疫についてバリアントダイナミクスを調べ、24%から69%のリスク減少を明らかにした。抗体レベルのモデルでは、高い抗体レベルが持続するまでの緩徐な減衰が予測された。遡れば、早期ワクチン接種の増加により、対象集団のデルタ波とオミクロン波における感染が大幅に減少した可能性があるが、現在ではさらなるワクチン接種の影響は少ないようである。