エチオピアの5歳未満児における肥満度の分位数に関するベイズモデリング。
アブストラクト
背景:体格指数(BMI)は栄養状態の測定値であり、良好な健康のための重要な前提条件である。エチオピアにおける小児期の栄養不良の有病率と肥満に伴う長期的な健康リスクの可能性は、近年世界的に増加している。本研究の主な目的は、エチオピアにおける5歳未満児のBMIの分位値に関連する要因を調査することである。
方法:2019年3月21日から2019年6月28日までの0~59ヵ月の子ども5,323人のデータを、世界保健機関(WHO)が定めた基準に基づいて、エチオピア小型人口統計保健調査(EMDHS, 2019)から入手した。本研究では、ベイズ分位回帰モデルを用いて、5歳未満児の肥満度の分位値と要因の関連を調査した。ギブスサンプリングによるマルコフ連鎖モンテカルロ(MCMC)は、Brq Rパッケージを使用して、モデルパラメーターの国別限界事後分布推定値を推定するために使用された。
結果:本研究の対象となった合計5323人の子どものうち、5.09%が低体重(BMI:12.92未満)、10.05%が過体重(BMI:17.06~18.27)、5.02%が肥満(BMI:18.27以上)であった。限界事後信頼区間(CI)を含むベイズ分位回帰モデルの結果は、BMIの0.05分位値の予測において、子どもの現在の年齢[=-0.007、95%CI:(-0.01、-0.004)]、アファール地域[=-0.32、95%CI:(-0.57、-0.08)]、ソマリア[=-0.72、95%CI:(-0.96、-0.49)]が負の相関を示した。49)]は肥満度と負の相関を示したが、母親の年齢[=0.01、95%CI:(0.005、0.02)]、母親の初等教育[=0.19、95%CI:(0.08、0.29)]、中等教育以上[=0.44、95%CI:(0.29、0.58)]、家族がプロテスタント[=0.22、95%CI:(0.07、0.37)]は肥満度と正の相関を示した。BMIの0.95(または0.85?)分位値の予測では、上位分位値では、母乳育児[=-0.25、95%CI:(-0.41、-0.10)]、女性であること[=-0.13、95%CI:(-0.23、-0.03)]が負の相関を示したが、富裕指数[=0.436、95%CI:(-0.25、0.62)]は5歳未満児のBMIと正の相関を示した。
結論:調査結果から、エチオピアでは5歳未満児のBMIが低い割合も高い割合も高いことが示された。子どもの現在の年齢、子どもの性別、母親の年齢、家族の宗教、地域、富の指数などの要因は、下位および上位の分位値レベルにおいて、5歳未満児のBMIに有意な影響を及ぼすことが明らかになった。したがって、これらの知見は、エチオピアの5歳未満児の正常体重または健康体重の状態を向上させることを目的とした戦略を考案し、実施する行政官や政策立案者の必要性を強調している。