NHSハイブリッド・クローズドループ実臨床試験の長期評価:1型糖尿病の小児および若年者の血糖アウトカム、タイムインレンジ、QOLについて
アブストラクト
ハイブリッド・クローズドループ(HCL)システムは、持続血糖モニタリング(CGM)とインスリンポンプをシームレスにインターフェイスし、特殊なアルゴリズムとユーザー主導の自動インスリン投与を採用している。本試験は、1型糖尿病(T1DM)の小児および若年者(CYP)とその介護者を対象に、HCLの導入後12ヵ月における糖化ヘモグロビン(HbA1c)、血糖値範囲内時間(TIR)、低血糖頻度、QOL(生活の質)の指標に対する有効性を評価することを目的とした。2021年8月1日から2022年12月10日にかけて、イングランド国民保健サービス(NHSE)のHCL試験的実臨床試験のもと、イングランドの8つの小児糖尿病センターで前向き募集が行われた。T1DMのCYP251人(男性58%、平均年齢12.3歳)が参加した(白人89%、アジア系3%、黒人4%、混血3%、その他1%)。本試験では3種類のHCLシステムが使用された:(1)Tandem Control-IQ APシステム:Tandem t:(1) Tandem Control-IQ APシステム(Tandem t: slim X2インスリンポンプ(Tandem Diabetes Care, San Diego, CA, USA)とDexcom G6® CGM(Dexcom, San Diego, CA, USA)センサー)、(2) Medtronic MiniMed™ 780GとGuardian 4センサー(Medtronic, Northridge, CA, USA)、(3) CamAPS FX(CamDiab, Cambridge, UK)とYpsomedインスリンポンプ(Ypsomed Ltd, Escrick, UK)とDexcom G6® CGM。すべてのシステムはNHSの全額出資によるものであった。その結果、12ヵ月間のHCL使用期間において、CYPのHbA1c(12ヵ月間の平均減少量7mmol/mol、P<0.001)、TIR(平均増加量13.4%、P<0.001)、低血糖頻度(50%減少)、低血糖恐怖、睡眠の質(P<0.001)が有意に改善したことが示された。さらに、両親および介護者は、6ヵ月および12ヵ月の使用後に低血糖恐怖および睡眠の質の改善を経験した。血糖管理の改善に加えて、これらの知見は、HCLシステムがT1DMのCYPと彼らを介護する人々の幸福の両方にプラスの影響を与えることを強調するものである。