小児斜頸:1409例の臨床報告と緊急性の予測因子。
アブストラクト
背景:現在までのところ、小児科の文献において、斜頸の病因や危険因子の定義はまだ不十分である。特に救急外来では、良性の一過性の疾患と生命を脅かす(可能性のある)疾患とを確実に区別することが重要である。本研究では、斜頸を有する小児の大規模サンプルの臨床的特徴について述べる。本研究の目的は、急性斜頸における生命を脅かす疾患の高いリスクに関連する疫学、病因および予測変数を検出することである。
方法:小児科3次病院の救急外来に紹介された急性斜頸の13年間の小児科後方視的研究を行った。全体のサンプルと、基礎疾患の緊急度によって2つのサブグループに分けて特徴を報告した。さらに、緊急治療の必要性の主な臨床的予測因子を同定することを目的とした多変量モデルを作成した。
結果:1409例の患者を解析した(年齢中央値5.7歳、IQR5.8)。外傷歴は393例(27.9%)に認められた。斜頸に最も多く関連した症状は疼痛(83.5%)であった。少なくとも1つの病理所見が、さらなる画像診断を受けた患者の5.4~7.9%に認められた。入院が必要な症例は11.1%であった(入院期間中央値4日)。斜頸の最も頻度の高い病因は、姿勢によるもの(43.1%)、外傷性(29.5%)、感染性/炎症性(19.1%)であった。二変量解析で他の臨床的・統計的に有意な変数を調整した後、斜頸発症からの時間が長いこと、頭痛または嘔吐があることは、基礎疾患である緊急疾患と強く相関していた。
結論:本研究は、外傷や頭痛、嘔吐、斜頸の既往が24時間以上ある患者において、緊急性の高い疾患が最も多くみられることを示している。