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受容体相互作用プロテインキナーゼ-3(RIPK3):早産児の壊死性腸炎の新しいバイオマーカー。
アブストラクト
目的:本研究の目的は、壊死性腸炎(NEC)を発症した未熟児の診断、重症度の推定、予後における受容体相互作用プロテインキナーゼ-3(RIPK3)の役割を評価することである。
方法:2019年から2023年の間に、II期NEC24例、III期NEC18例、対照66例を含む未熟児108例の末梢血において、RIPK3、乳酸(LA)、C反応性蛋白(CRP)値を測定した。NECに対する指標の診断値は、受信者動作特性(ROC)曲線解析により評価した。
結果:III期NEC新生児のNEC疑い時の血漿中RIPK3およびLA濃度は32.37±16.20ng/mLであった。RIPK3、LA、CRPの組み合わせによるNEC診断のROC曲線は0.925であった。NECからの回復後の完全経腸栄養(FEFt)までの時間は、血漿中RIPK3の2つの発現群(RIPK3<20.06ng/mLとRIPK3≧20.06ng/mL)で異なっていた。
結論:血漿RIPK3は、NECを発症した未熟児の診断と重症度の推定、およびNECからの回復後の適切な摂食戦略の指導のための有望なマーカーとして使用できる。