農村・地域社会が地域ベースのシステム思考による肥満予防イニシアチブを実施するのを支援するための試験的無作為化試験(Action-RESPOND)のプロトコール。
アブストラクト
背景:オーストラリアに住む2歳から17歳の子供の4分の1以上が過体重または肥満であり、その有病率は地域や遠隔地のコミュニティほど高いことが報告されている。肥満の環境的、政治的、社会文化的、個人的決定要因の絡み合いをターゲットとして、地域社会がその地域に適した解決策を生み出し、実施することを支援しようとするシステム思考のアプローチは、この状況を改善する可能性がある。しかし、このような取り組みの実施には課題があることが報告されており、実施科学の手法を取り入れることで強化できる可能性がある。
方法:この試験的無作為化比較試験プロトコルは、地域社会を基盤としたシステム思考による子どもの肥満予防の取り組みの実施を増加させるための、多成分からなる実施戦略(Action-RESPOND)の開発と評価案について概説するものである。Action-RESPONDは、この介入を基礎として、5つのコミュニティに追加の実施戦略を提供し、通常のケアと比較した場合の影響を評価するものである。多要素の実施戦略の開発は、保健サービスにおける研究実施に関する行動促進(PARIHS)の枠組みから情報を得ており、主に「ファシリテーション」手法によって提供される7つの実施戦略から構成されている。実施戦略は、i) エビデンスに基づき、ii) コミュニティ特有のニーズに対応し、iii) 地域の状況に適したイニシアティブを実施することを目指した。戦略はまた、iv)健康増進チームの実施に関する知識とスキルの向上、v)リーダーシップの育成、vi)物的資源、vii)実施を推進するための地域文化を通じて、地域社会の実施能力を高めることも目指した。戦略の実行可能性、受容可能性、潜在的な影響、コストは、ベースライン時とフォローアップ時に、コミュニティ内の主要な代表者に実施した調査と研究チームが維持する内部記録を用いて評価される。
考察:Action-RESPONDは、既存の地域社会に根ざしたシステム全体の介入を活用することで、ビクトリア州の農村・地域社会における肥満予防を支援するための実施とシステム科学のアプローチの適用方法について、試験的な実現可能性と初期の実証的データを収集するユニークな機会を提供する。