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未熟児と先天奇形は、妊娠糖尿病のタイプによって異なる。
アブストラクト
背景:糖尿病(Diabetes mellitus:DM)は妊娠中に最もよくみられる代謝疾患である。2型DMの女性は1型DMの女性よりも周産期予後が良くないようである。
方法:単施設前向きコホート観察研究。2009年から2021年の間に大学病院で追跡された糖尿病妊婦(1型DM 141例、2型DM 124例)を本研究の対象とした。臨床データ、産科および周産期の転帰を収集した。
結果:予想通り、1型DMの女性は2型DMの女性よりも若く、糖尿病罹病期間が長かった。肥満と慢性高血圧は2型DM女性群で高く、第2期と第3期のHbA1c値は1型DM女性より低かった。未熟児に差はみられなかったが、2型DMではより極端な未熟児が観察され、先天奇形の発生率も高かった。低血糖の頻度と新生児の体重は1型DMで高かった。新生児の体重に関連する母体の独立因子は、妊娠第3期の血糖コントロール、妊娠中の体重増加、妊娠前のBMIであった。
結論:1型DMの母親から生まれた新生児はより大きく、低血糖の頻度が高かった。代謝コントロール、体重増加、妊娠時体重は、産科合併症と新生児合併症の重要な決定因子であった。