チリにおけるCOVID-19ワクチン接種の直接的影響:症例、入院、ICU入室、死亡の回避。
アブストラクト
背景:チリはCOVID-19の大規模なワクチン接種キャンペーンを急速に実施し、高齢者や合併症を有する人を優先した戦略で多様なワクチンを導入した。本研究の目的は、キャンペーン開始から1年半の間に回避されたCOVID-19関連症例数、入院数、ICU入院数、死亡数に対するワクチン接種の直接的影響を評価することである。
方法:チリの透明性法によって、ワクチン接種の有無と年齢で分類された週ごとのイベントカウントを入手した。このデータを公開されている国勢調査およびワクチン接種率情報と統合し、2020年12月20日から2022年7月2日までのワクチン接種群と未接種群の週間発生率の比較分析を行い、各ワクチンの効果を明示的に特定する必要性を回避するアプローチを用いて、回避された症例数、入院数、ICU入室数、死亡数という観点からワクチン接種の直接的影響を推定した。
結果:2020年12月20日から2022年7月2日までの間に、ワクチン接種キャンペーンによって1,030,648例(95%信頼区間:1,016,975-1,044,321)、268,784例(95%CI:16歳以上のCOVID-19に関連する死亡は、入院264,524-273,045例、ICU入室85,830例(95%信頼区間:83,466-88,194例)、死亡75,968例(95%信頼区間:73,909-78,028例)であった。これは、ワクチン接種を行わないシナリオと比較して、症例の26%、入院の66%、ICU入院の70%、死亡の67%が減少したことに相当する。55歳以上では、COVID-19による入院の67%、ICU入室の73%、死亡の89%が予防された。
結論:本研究は、COVID-19の疾病負担を軽減する上でチリのワクチン接種キャンペーンが果たす役割を強調するものであり、重篤な転帰において最も大幅な軽減が観察された。