産後うつ病と乳児期の授乳習慣が1歳と3歳の子どもの相対体重に及ぼす影響。
アブストラクト
背景:小児肥満が増加し、世界的に21世紀の最も深刻な公衆衛生上の課題のひとつと考えられており、産後うつ病(PPD)によって悪化する可能性がある。本研究の目的は、産後1ヵ月および6ヵ月時のPPD、乳児の授乳習慣、1歳時および3歳時の子どもの体格指数(BMI)zスコアとの関連を検討することである。
方法:本研究では、東京近郊の国立成育医療研究センター(NCCHD)で実施中の前向き母子出生コホートのデータを用いた。母親総数2,309人のうち、1,279人の母子ダイアッドが本研究で評価された。多変量線形回帰分析を行い、PPDと子どものBMI zスコアとの関連を、子どもの1歳時および3歳時の年齢で層別化して検討した。
結果:産後1ヵ月のPPD有病率(17%)は6ヵ月(12%)より高いことがわかった。多変量線形回帰分析では、6ヵ月時点でPPDの母親を持つ3歳児は、6ヵ月時点でPPDの母親を持たない3歳児よりもBMI zスコアが平均0.25高かった(ß係数0.25、95%CI[0.04~0.46]、p値0.02)。また、生後6ヵ月での離乳食開始は、すべての共変量を調整した後、3歳時の子どものBMI zスコアの高さと関連していた(ß係数=0.18、95%CI[0.03~0.34]、p値<0.05)。
結論:6ヵ月時のPPDと3歳時の子どものBMI z-scoreとの有意な関連は、出生傾向やPPDの高い有病率と関連しており、早期スクリーニングと早期介入が母体の健康と子どもの発育の両結果に利益をもたらす可能性があるため、PPDを除外するために産後1年間にわたる複数回の評価が必要であるというエビデンスを追加することができる。これらの知見は、PPDを持つ母親の介護活動のための支援システムを確立する必要性を示すことができる。