アジア太平洋地域における出生間隔の短さ:系統的レビューとメタ分析。
アブストラクト
背景:出生間隔が短いことは、母子にとって不利な健康上の転帰をもたらすリスクの増大と関連している。にもかかわらず、アジア太平洋地域における短分娩間隔に関する包括的なエビデンスは不足している。そこで本研究では、アジア太平洋地域における短分娩間隔の定義、分類、有病率、予測因子に関するエビデンスを統合することを目的とした。
方法:5つのデータベース(MEDLINE、Scopus、Cumulative Index to Nursing and Allied Health Literature、Maternity and Infant Care、Web of Science)を用いて、2000年9月から2023年5月までに発表された研究を検索した(最終検索はすべてのデータベースについて2023年5月に実施)。アジア太平洋地域における出生間隔の短さについて報告した、英語で発表されたオリジナル研究を対象とした。出生間隔と出生順を組み合わせた研究、複数国のデータを用いた研究、学会抄録や解説として発表された研究は除外した。3人の独立したレビュアーが論文の関連性をスクリーニングし、2人のレビュアーがデータ抽出と質評価を行った。バイアスのリスクは、Joanna Briggs Instituteの批判的評価ツールを用いて評価した。得られた知見は質的および量的に統合され、発表された。
結果:本レビューの組み入れ基準に合致した研究は合計140件であった。研究の約58%(n=82)が短分娩間隔を定義していたが、42%(n=58)は定義していなかった。82件の研究のうち、約半数(n = 39)が出産から出産までの間隔を測定し、37件が出産から妊娠までの間隔を測定し、4件が妊娠から妊娠までの間隔を測定し、2件が妊娠喪失から妊娠までの間隔を測定した。約39%(n = 55)と6%(n = 8)の研究が、それぞれ短い出産間隔を24ヵ月未満と33ヵ月未満と分類していた。組み入れられた研究のほとんどは横断研究で、約3分の2はバイアスのリスクが中または高であった。世界保健機関(WHO)の定義を用いた研究のプールされた短生児間隔の有病率は33.8%(95%信頼区間(CI)=23.0-44.6、I=99.9%、P<0.01)であった。
結論:本レビューの結果、短分娩間隔の定義、測定、分類、および報告された有病率には、対象となった研究間で大きなばらつきがあることが浮き彫りになった。研究間の一貫性と比較可能性を確保し、的を絞った介入や政策の開発を促進するために、短分娩間隔の定義と分類を調和させる今後の研究が必要である。
登録: PROSPERO CRD42023426975.