シリアにおけるコレラ流行時の急性水様性下痢症例:コホート研究。
アブストラクト
目的:本研究の目的は、最近シリアでコレラが流行した際にアレッポ大学病院(AUH)に受診した急性水様性下痢症(AWD)の症例に関する記述的発表である。
デザイン:前向き観察コホート研究。
設定および参加者:2022年9月20日~2022年10月20日の期間にAUHに入院したAWD患者1061例。データ収集は構造化質問票によって行われた。これには、包括的な臨床観察、検査分析、治療介入、全人的な症例評価が含まれる。
結果:解析の結果、顕著な知見が得られた:患者の大部分(58.6%)は都市部の住民であり、40.3%は農村部の住民であった。興味深いことに、当院の患者データからは、管理されていない井戸水、野菜、汚染されたストリートフードやファーストフードによる糞口感染など、多様な潜在的感染源が浮かび上がってきた。退院時、ほとんどの患者は健康状態が良好であり(79.7%)、次いで健康状態が中等度(17.6%)、健康状態が不良(2.3%)であった。入院時および入院中に最も多く報告された合併症は、電解質失調(28.2%)、次いで重度の脱水(16.3%)であった。追跡調査期間中、患者の大部分は良好な健康状態を示した(81.0%)。高齢の患者(60歳以上)の転帰は悪く、8.4%が健康不良で、死亡率は4.2%であった。
結論:イエメン、ナイジェリア、レバノンなどの発展途上国で過去に発生したAWDと同様の結果が得られた。将来のアウトブレイクを予防し、医療システムへの負担を軽減するためには、水の衛生状態や衛生習慣の改善といった予防対策が不可欠である。したがって、今後の研究では、この病気の広がりと重症度を高める危険因子を調査し、最善の管理方法を検討する必要がある。