エチオピアで抗レトロウイルス療法を受けている15歳未満のヒト免疫不全ウイルス感染小児における死亡率とその予測因子:系統的レビューとメタ解析。
アブストラクト
背景:抗レトロウイルス治療(ART)にもかかわらず、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は、資源の乏しい国々において依然として大きな健康上の負担となっている。この系統的レビューとメタアナリシスは、エチオピアの様々な地域で実施された研究から、ARTを受けているHIV感染児の死亡率のプール発生密度を決定し、潜在的予測因子を同定することを目的とした。
方法:Excerpta Medica、PubMed、Web of Science、African Journals Online、Google Scholar、Scopusにおいて包括的なデータベース検索を行った。結果はPreferred Reporting Items for Systematic Reviews and Meta-Analysis 2020に従って報告した。データの抽出にはExcel Spreadsheet、メタ解析にはSTATA Version 14を使用した。研究間の統計的異質性はI統計量を用いて評価した。統計的異質性の原因をさらに探るためにメタ回帰とサブグループ解析を行った。さらに、出版バイアスとleave-out-one感度分析を行った。
結果:8,731人が参加した22の論文が組み入れ基準を満たし、組み入れられた。死亡のプールされた発生密度は、100小児年あたり3.08(95%信頼区間(CI)、2.52~3.64)であった。死亡率の予測因子は、農村部居住(ハザード比(HR)、2.18[95%CI、1.20~3.98])、ARTアドヒアランス不良(HR、2.85[95%CI、1.39~5.88])、コトリモキサゾール予防療法未開始(HR、2.16[95%CI、1.52~3.07])、貧血(HR、2.28[95%CI、1.51~3.45])、日和見感染症(HR、1.52[95%CI、1.15~2.00])、低体重(HR、1.74[95%CI、1.26~2.41])、消耗症(HR、2.54[95%CI、1.56~4.16])、発育阻害(HR、2.02[95%CI、1.63~2.51])、世界保健機関(WHO)分類のHIV臨床病期IIIおよびIV(HR、1.71[95%CI、1.42~2.05])、ネビラピンベースのレジメン(HR、3.91[95%CI、3.09~4.95])であった。
結論:本研究により、ART開始後のHIV感染児の死亡率は全体的に高いことが明らかになった。したがって、これらの危険因子を特定し、ARTを受けているHIV感染児の生存率を高めるためには、責任ある養育者、医療提供者、ソーシャルワーカー、プログラム管理者の高レベルのコミットメントと関与が最も重要である。