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BNT162b2ワクチン接種と免疫介在性合併症の発症との関連。

DOI:10.1016/j.vaccine.2024.04.097

アブストラクト

背景:2020年12月、SARS-CoV-2感染と重症Covid-19病を予防するため、世界中で大規模なワクチン接種キャンペーンが開始された。しかし、ワクチン接種による長期的な副作用は依然として不明である。そこで、ワクチン接種後1年間におけるワクチン接種と自己免疫疾患の発生率との関連を検討することを目的とした。

方法:Clalit Health Services(CHS)の包括的データベースに基づくこのレトロスペクティブコホート研究では、BNT162b2ワクチン接種者と未接種者における免疫介在性診断の発生率を比較した。参考として、二次コホートではSars-CoV-2感染者と非感染者を比較した。最低追跡期間は4ヵ月であった。コホートは4つの年齢群(12~17歳、18~44歳、45~64歳、65歳以上)に分けられた。多変量Cox比例ハザード回帰モデルが適用され、FDR(False Discovery Rate)法による多重比較の補正が行われた。

結果:BNT162b2ワクチン接種後の免疫介在性疾患のリスク上昇は、すべての年齢層で乾癬(HR 1.41-1.69)、65歳未満の患者では大腸炎(HR 1.38-1.93)、45-64歳の患者では白斑(HR 2.82、95 %CI:1.57-5.08)、65歳以上の患者では多発筋痛リウマチ性(HR 2.12、95 %CI:1.3-3.47)で観察された。参照コホートでは、Covid-19に感染した患者では、線維筋痛症(18~44歳ではHR 1.72、95%CI:1.36~2.19、45~64歳ではHR 1.71、95%CI:1.31~2.22)、甲状腺機能低下症(65歳以上ではHR 1.54、95%CI:1.15~2.07)のリスクが高かった。

結論:BNT162b2ワクチンは、乾癬、大腸炎、リウマチ性多発筋痛のリスク上昇(まれではあるが)と関連していた。これらの知見は、様々な集団に対する将来のワクチン接種プログラムを計画する際に、リスク・ベネフィット評価の一部として考慮されるべきである。

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