発達性言語障害の診断ツールとしての文の繰り返し:系統的レビューとメタ分析。
DOI:10.1044/2024_JSLHR-23-00490
アブストラクト
目的:このシステマティックレビューとマルチレベルメタ解析では、定型発達(TD)児と発達性言語障害(DLD)児の鑑別における文反復(SR)課題の正確性について検討する。また、SR課題の実施方法および/または評価方法のばらつきを調査し、DLDを検出するSRの報告された能力のばらつきが、これらの違いに関連しているかどうかを検討する。
方法:4つのデータベースを検索し、DLDおよびTD児を対象にSR課題を実施した研究を特定した。検索の結果、3,459件の論文が得られ、スクリーニングの結果、66件がシステマティックレビューに含まれた。そして、これらの研究のうち46件を用いて、マルチレベルメタ解析が行われた。異質性の原因を探るため、事前に登録した複数のサブグループ分析を行った。
結果:システマティックレビューの結果、19の言語、39のSRタスク、4つの主なプロダクションスコアリング方法にまたがる研究があり、方法論的に大きなばらつきがあることがわかった。研究デザインにもばらつきがあり、サンプリング(臨床サンプリングと集団サンプリング)やマッチング(年齢や言語のマッチング)の方法が異なっていた。メタアナリシスの結果、TD児はSR課題においてDLD児を平均2.08秒上回った。
結論:SR課題は、年齢および言語をマッチさせたTD児サンプルとDLD児を区別できることが示された。SRの有用性は、ほとんどの種類の課題や研究のばらつきに対して頑健であると思われる。
補足資料: https://doi.org/10.23641/asha.25864405.