顔表情データベースと自閉症スペクトラム障害:探索的レビュー。
DOI:10.1002/aur.70030
アブストラクト
自閉症スペクトラム障害(ASD)における感情認識(ER)の障害は広く認められており、さまざまな条件下でのERの障害を評価する研究や、主にASDの子供を対象とした感情認識を向上させるための介入研究が数多く行われてきました。本システマティックレビューは、ASDにおけるERの文脈において、研究と介入で用いられた顔表情データベースに焦点を当て、多様な研究を要約することを目的としました。PRISMA-ScRガイドラインに従い、Web of ScienceやPubMedなどの電子研究データベースから、事前に定義された inclusion 基準と exclusion 基準に基づいて80件の研究が選択されました。傾向としては、サンプルサイズが小さく、主に子どもが対象であり、ASD群とその対照群が設定されています。結果は混合した結果を示しており、大多数の研究ではASDにおける顔の感情認識の障害が示されていますが、特定の刺激や条件下ではASDが顔の感情認識において良好な成績を示す場合もあります。介入研究では、ASDを有する子どもにおける感情認識能力の向上を示す有望な結果が得られました。本レビューでは、感情認識の研究における調整要因(年齢、IQ、合併症、タスクパラダイム、文化的要因など)にも焦点を当てました。研究と介入において、顔表情データベースの小さなサブセットが広く使用されており、これらは主に西洋諸国で開発・検証されています。研究の課題が指摘され、今後の研究方向に関する推奨事項が示されました。
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