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『新型コロナウイルス感染妊婦からの出生児、妊婦の感染時期で死亡率に差』のイメージ

新型コロナウイルス感染妊婦からの出生児、妊婦の感染時期で死亡率に差

「Pediatrics」より

 新型コロナウイルスに感染した妊婦から出生した生後6カ月までの乳児は、死亡率などは低かったものの、妊婦の感染時期により差が見られたとする研究結果が、「Pediatrics」に11月1日発表された。

 米疾病対策センター(CDC)COVID-19緊急対策チームのLucas Gosdin氏らは、2020年に米国のSurveillance for Emerging Threats to Mother and Babies Network(母児への脅威発生監視ネットワーク)の10の管轄区において、新型コロナウイルスに感染した妊婦から出生した児を対象とするコホート研究を行った。生後6カ月までの検査データのある乳児は6,601人であったが、分析の際の母数は条件により異なっていた。解析には加重Kaplan-Meier曲線を用い、有意差検定にはRao-Scottχ2検定を用いた。妊婦の新型コロナウイルス感染時期を、出産前14日以内と、出産前14日超とに分けて分析した。

 その結果、児における生後6カ月以内のPCR検査の結果は、1.0%(95%信頼区間0.8〜1.1)が陽性、19.1%(同17.5〜20.6)が陰性、80.0%(同78.4〜81.6)は受検不明であった。生後14日以内に新型コロナウイルス感染が判明した児は、全て出産前14日以内に感染した妊婦から生まれた児であった。出生直後から母乳栄養を受けた児の割合は、出産前14日超に感染した妊婦から生まれた児で88.3%(同84.7〜92.0)だったのに対し、出産前14日以内に感染した妊婦から生まれた児では77.6%(同72.5〜82.6)と低かった(P=0.002)。生後6カ月までに入院した児の割合(入院の理由を問わず)は、出産前14日超に感染した妊婦から生まれた児では3.8%(同1.1〜6.6)、出産前14日以内に感染した妊婦から生まれた児では4.0%(同2.0〜6.1)と有意差は見られなかった(P=0.93)。全死亡率は出産前14日超に感染した妊婦から生まれた児で0.3%(同0.1〜0.5)だったのに対し、出産前14日以内に感染した妊婦から生まれた児では1.0%(0.4〜1.6)と有意に高かった(P=0.01)。

 著者らは、「今回の調査では、感染妊婦から生まれた児の健康への悪影響は大きくはなかったが、妊婦の感染時期により、母乳栄養の割合や死亡率に差が見られた」と述べた上で、「乳児にはワクチン接種ができず、治療手段もないことから、妊娠中から出産後を通じて、新型コロナウイルス感染予防策を徹底すべきだ」と強調している。(HealthDay News 2022年11月1日)

書誌事項

Six-Month Outcomes of Infants Born to People With SARS-CoV-2 in Pregnancy
Gosdin L, et al. Pediatrics. Published online November 1, 2022. doi: 10.1542/peds.2022-059009

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