掲載日:
次世代シーケンサーを用いたゴーシェ病の出生前診断。
DOI:10.1111/ped.13069
アブストラクト
ゴーシェ病(GD)の出生前診断では、胎児細胞を用いてグルコセレブロシダーゼ(GBA)活性を測定し、あらかじめGBAの病原性変異が同定されている場合には遺伝子解析を行う。ここでは、2人の子供がGDであった家族の出生前診断について述べる。このGD家族の事前の遺伝情報は得られていなかったが、早急な出生前診断が必要であったため、この家族に対して次世代シーケンサー(NGS)が実施された。このGD家系では3つの変異が同定された。父親はイントロン3に1つの変異(IVS2+1)を有し、母親はエクソン3(I[-20]V)と5(M85T)に2つの変異を有し、子供1はこれら3つの変異をすべて有していたが、子供3にはこれらの変異はなかった。NGSでは、今回の胎児(子供3)はGD関連変異の保因者ではなかった。NGSは、発症前の早期発見と治療を促進する可能性がある。