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中国の大規模コホート研究における胆道閉鎖症と肝内胆汁うっ滞の鑑別診断に対するサイトメガロウイルス感染の影響。

DOI:10.1016/j.aohep.2020.100286

アブストラクト

はじめにと目的:新生児胆汁うっ滞の他の原因から胆道閉鎖症を鑑別することは困難であり、特にサイトメガロウイルス(CMV)と胆道閉鎖症が同時に発症した場合はなおさらである。我々は、CMV感染が胆道閉鎖症と肝内胆汁うっ滞の鑑別診断に影響を及ぼすかどうかを明らかにすることを目的とした。

対象および方法:2010年1月から2019年8月までに3つの3次病院に入院した新生児胆道閉鎖症患者を対象に、後方視的研究を実施した。臨床的特徴、検査所見、画像所見を記録した。CMV血清検査の結果に基づいて、乳児をCMV-IgM(+)群とCMV-IgM(-)群に分類した。胆道閉鎖症と肝内胆汁うっ滞症の臨床的差異と日常的な予測因子の診断能を各群で分析した。最後に、両群における各種検査の診断能を比較した。

結果:合計705例の新生児胆汁うっ滞患者が登録された:215例(30.5%)がCMV-IgM陽性で、そのうち97例が胆道閉鎖症、118例がCMV肝炎であった;490例がCMV-IgM(-)で、そのうち240例が胆道閉鎖症、250例が肝内胆汁うっ滞症であった。CMV肝炎群とCMV-IgM(+)胆道閉鎖症群の便色、直接ビリルビン値、γ-グルタミルトランスペプチダーゼ値、胆嚢異常、三角索徴候、肝胆道シンチグラフィーの診断能は、CMV-IgM(-)胆道閉鎖症群とCMV-IgM(-)肝内胆汁うっ滞群のそれと同様であった。

結論:我々の大規模研究は、中国の新生児胆汁うっ滞患者におけるCMV感染の高い有病率を示した。CMV感染の有無は、胆道閉鎖症と肝内胆汁うっ滞を鑑別するためのルーチンの予測因子には影響しなかった。

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