HEp-2およびA549細胞に感染する複数のRSウイルス(RSV)株は、RSV感染に対する耐性における細胞株依存性の相違を明らかにする。
アブストラクト
RSウイルス(RSV)は、世界中の小児急性呼吸器感染症の主要原因である。RSV疾患と闘うための承認されたワクチンや抗ウイルス薬は現在のところ存在しない。少数の形質転換細胞株および2つの歴史的株がRSVの研究に広く用いられている。本稿では、ウイルス複製動態およびウイルス遺伝子発現の測定、肉眼的細胞形態および細胞関連RSVの免疫蛍光に基づくイメージング、ならびに転写変化および分泌されたサイトカインおよび増殖因子のレベルを含む宿主応答の測定を介して、主要サブグループおよびより現代的な遺伝子型(RSV/A/Tracy [GA1]、RSV/A/Ontario [ON]、RSV/B/18537 [GB1]、RSV/B/Buenos Aires [BA])の双方を代表するRSVの4株のうちの1株に感染したHEp-2およびA549細胞の徹底的な分子生物学的特性評価について報告した。RSウイルス(RSV)の幼少期の感染は本質的に保証され、重篤な疾患に至る可能性がある。ほとんどのRSV研究では、2つの細胞株、HEp-2またはA549細胞のいずれかに感染する2つの歴史的RSV/A株のいずれかが関与している。しかしながら、RSVは2つの進化中のサブグループ(AおよびB)内に十分な変異を含み、HEp-2およびA549細胞株は遺伝的に異なる。本稿では、双方のサブグループ由来の4つのRSV株に感染し、歴史的およびより現代的な株の双方を代表するHEp-2およびA549細胞の双方におけるウイルス作用および宿主応答を測定した。われわれは、ウイルス遺伝子発現のサブグループ依存性の差異を発見し、A549細胞がウイルス変異に対して、微妙ではあるが、より強力に抗ウイルス作用を示し、より感受性が高いことを見出した。われわれの所見は、RSVサブグループと広く用いられている2つの細胞株との間の重要な相違を明らかにし、RSV自然感染をよりよく代表するモデル系を用いた実験のためのベースラインデータを提供した。