RSウイルス予防のためのヨーロッパ臨床診療ガイドラインの系統的レビュー
DOI:10.1093/infdis/jiac059
アブストラクト
背景:欧州でパリビズマブによる予防が普及して以来、小児の呼吸器合胞体ウイルス(RSV)感染予防のための臨床実践ガイドライン(CPG)が数多く発表されている。このシステマティックレビューの目的は、欧州におけるRSV感染予防のためのCPGを特定することであった。
方法:系統的な文献検索を行い、欧州のインフルエンザ・呼吸器ウイルスネットワークおよび公衆衛生機関に問い合わせ、RSV感染予防のための各国のCPGを確認した。医療における診療ガイドラインの報告項目(RIGHT)ステートメントチェックリストを適用してデータを抽出し、報告の質を検討した。
結果:合計20の国内CPGが確認され,いずれも2000年から2018年の間に出版されたものであった。ガイドライン間の最大の相違は、未熟児に対するパリビズマブ予防の推奨であり、推奨は妊娠年齢によって異なっていた。気管支肺異形成の乳児、先天性心疾患(CHD)の子どもでは85%(n=17)、重症複合免疫不全の子どもでは60%(n=12)がパリビズマブの使用を推奨または検討していることが、すべてのガイドラインで確認された。
結論:RSV予防ガイドラインを発行している機関は、ガイドラインの更新時にRIGHTの報告要件を採用し、エビデンスベースの提示を改善し、意思決定を行うことを推奨する。