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先天性代謝異常児に対する造血幹細胞移植:20年にわたる単一施設での経験。
アブストラクト
目的:先天性代謝異常(IEM)を有する小児に対する造血幹細胞移植(HSCT)の転帰データを示す。
方法:2002年1月から2020年12月までに造血幹細胞移植を受けた、IEMと診断された18歳までの小児のデータをレトロスペクティブに解析した。
結果:24人の小児(ムコ多糖症13人、ゴーシェ病4人、X連鎖性アドレノロイコジストロフィー4人、多色性白質ジストロフィー2人、クラッベ病1人)が対象となった。ドナーは、24%がマッチドファミリードナー、34%がマッチド非血縁ドナー、42%がハプロアイデンティカルファーザーであり、91%の小児に生着した。全生存率は72%(55-100%)、追跡期間中央値は76.5ヶ月(10-120ヶ月)、無増悪生存率は68%(MPS-76%、X-ALD-60%、ゴーシェ病-50%、MLDとクラッベ病では100%)であった。
結論:造血幹細胞移植は根治的選択肢の一つであり、造血幹細胞移植の早期開始は末端臓器障害を予防する。