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バーター症候群と誤診された成人における先天性塩化物下痢症と潰瘍性大腸炎の重複の診断上の課題:症例報告と文献的検討。

DOI:10.12659/AJCR.936715

アブストラクト

背景 先天性塩化物下痢症(CCD)は常染色体劣性遺伝の疾患であり、通常小児期に発症する。SLC26A3遺伝子の変異が発症の主な原因であると考えられている。CCD患者は通常、電解質異常、代謝性アルカローシス、慢性下痢を呈する。長期にわたる合併症を予防するためには、早期診断が不可欠であり、しばしば遺伝子検査が必要となる。バーター症候群もCCDに類似した臨床的特徴を有する先天性疾患であり、少数の患者では診断が遅れる可能性がある。症例報告 低カリウム血症、代謝性アルカローシス、バーター症候群の家族歴などの臨床的特徴から、生後5ヵ月でバーター症候群と誤診された28歳の男性の症例について述べる。下痢で何度も入院し、潰瘍性大腸炎と診断された。残念ながら、経過は腎不全を合併し、患者は腎移植を受けた。移植後に下痢を伴う代謝性アルカローシスが持続するのはバルター症候群では珍しいことであった。そのため、一次診断が疑われ、CCDが疑われたが、遺伝子検査により確認された。結論CCDはまれな先天性疾患であり、臨床的に強く疑われるとともに、診断の確定にはしばしば遺伝子検査が必要である。ここでは、いくつかの誤解を招きやすい要因のために、成人早期までBartter症候群と誤診されていた患者を報告する。この症例を報告することで、有病率の高い地域におけるCCDに対する認識を高め、重篤な合併症を予防するための早期診断の重要性を認識してもらいたい。

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