肥満のある青年および若年成人におけるスリーブ状胃切除術1年後のCTによる肝脂肪含量の変化。
アブストラクト
背景:肥満は非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と関連している。スリーブ状胃切除術(SG)は、成人では減量とNAFLDの改善に有効な手段であるが、小児NAFLDの初期段階におけるSGの有効性に関するデータは乏しい。
目的:肥満のある青少年におけるSG後1年の肝脂肪量に対するSGの影響を、肥満のある非外科的対照(NS)と比較して評価する。
デザイン:肥満症患者52人(平均年齢18.2±0.36歳)を対象とした12ヵ月の前向き研究。SGを受けた被験者25人(84%女性;体格指数[BMI]中央値、44.6[42.1-47.9]kg/m2)とNSの被験者27人(70%女性;BMI中央値、42.2[38.7-47.0]kg/m2)から成る。
主要評価項目:コンピュータ断層撮影による肝脂肪量(肝/脾比)、磁気共鳴画像法による腹部脂肪。
結果:BMIの12ヵ月平均減少率はSG群でNS群より大きかった(-12.5±0.8 vs -.2±0.5kg/m2、P < 0.0001)。肝脾比(L/S比)はSG群で群内増加がみられたが(.13±0.05、P = 0.014)、NS群ではみられず、群間差の傾向がみられた(P = 0.055)。術前にL/S比<1.0(NAFLDの診断基準値)であったSGの参加者全員が、術後1年後には1.0を超えており、NAFLDの消失と一致していた。SGにおいて、L/S比の12ヵ月間の変化は、内臓脂肪の12ヵ月間の変化と負の相関を示した(ρ = -.51 P = 0.016)。
結論:非造影コンピュータ断層撮影法で評価した肝脂肪量は、肥満の若年者においてSG後に1年間にわたって改善し、すべての被験者でNAFLDが消失した。これは内臓脂肪率の低下と関連していた。
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