前向き出生コホートにおける、2ヵ月時の頬の皮膚における黄色ブドウ球菌のコロニー形成とその後のアトピー性皮膚炎との関連。
アブストラクト
背景:黄色ブドウ球菌は、すでに発症しているアトピー性皮膚炎(AD)を悪化させる可能性があるが、ADの病因や重症度における主な役割は不明である。
目的:生後2年間にアトピー性皮膚炎を発症した小児と発症しなかった小児における、乳児期早期からの黄色ブドウ球菌の定着率を比較する。
方法:450人の乳児を対象としたこの前向き出生コホート研究において、生後0ヵ月と2ヵ月の頬の皮膚から採取した細菌スワブを分析した。ADの発症と重症度は医師によって診断され、2年間前向きにモニターされた。親のアトピー、フィラグリン遺伝子変異の有無、抗生物質と軟膏の使用に関する情報も解析に含まれた。
結果:出生時、S. aureusのコロニー形成は、その後ADを発症した乳児とそうでない乳児で同様であった。生後2ヵ月の時点で、S. aureusの保菌は後にADを発症した小児でより一般的であった(調整ハザード比1.97、95%信頼区間1.21-3.19;P = 0.006)。S.aureusの保菌とADの重症度や発症年齢との関連は認められなかった。
結論:黄色ブドウ球菌のコロニー形成がADのリスクを直接増加させるのか、あるいは皮膚バリア障害や免疫活性の偏りによる二次的なものと考えるべきなのかはまだ不明であるが、今回の所見によると、後にADを発症した小児では、生後2ヵ月で黄色ブドウ球菌のコロニー形成がより一般的に増加する。
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