アフリカ系アメリカ人の親子二人組の臨床的出会いにおけるコミュニケーションの相互作用、ニーズ、嗜好。
DOI:10.1007/s40615-023-01754-8
アブストラクト
ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種率は、アフリカ系アメリカ人の青少年において依然として最適ではない。臨床面談時に医療者が勧めることは、接種率と接種完了率を高める上で非常に効果的であると考えられているが、このような面談時に受けたカウンセリングに関する親子の視点についてはほとんど報告されていない。アフリカ系アメリカ人の親子において、子どものHPVワクチン接種状況別に、臨床面談時の相互作用、ニーズ、嗜好を調査し、比較することを目的とした。質的現象学的研究デザインを適用し、ワクチン未接種(n=10)、接種を開始したが完了していない(n=11)、またはHPVワクチンシリーズを完了した(n=9)子どもを代表するアフリカ系アメリカ人の親子ダイアドに対して、半構造化面接を行った。(1)HPVワクチンに対する親の態度は様々であったが、ワクチン全般には肯定的であった、(2)親の視点からの患者-親-医療者の臨床的出会い、(3)子供の視点からの患者-親-医療者の臨床的出会い、(4)HPV補足情報の配布方法、(5)親子がHPVワクチン接種に望むコミュニケーション。接種状況別にみると、医療者から勧奨を受けたと回答した親が多かった(未接種:10人中6人、接種開始:11人中7人、接種完了:9人中9人)。ほとんどの親子は、HPVワクチンに関する医療機関のコミュニケーションに満足しておらず、意思決定に際して補足資料を利用していた。HPVワクチンに関する継続的なコミュニケーションは、子どもの接種後にも求められた。臨床面談の際、子どもと親のメッセージのニーズは似ているようで異なっている。我々は、アフリカ系アメリカ人の親子二人組に対して、臨床面談中の子どものHPVワクチン接種状況別に使用できるコミュニケーション戦略とメッセージングを提供する。
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