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一価SARS-CoV-2 mRNAワクチンは糖尿病患者と対照小児患者のオミクロン特異的免疫応答を増強しない。
アブストラクト
SARS-CoV-2ワクチンの免疫原性は成人ではよく報告されているが、小児ではあまり研究されていない。特に、1型糖尿病の小児は、一般的に感染後の重症化リスクが高いが、COVID-19やSARS-CoV-2ワクチンに対する反応性については十分な研究がなされていない。我々は、35人の1型糖尿病(T1D)小児と23人の対照小児を対象にCOVID-19 mRNAワクチン接種の免疫原性を検討し、これらの小児が非糖尿病小児と同程度のSARS-CoV-2中和抗体価とスパイク蛋白特異的T細胞を発現することを見出した。しかし、mRNAワクチンを2回接種した小児(T1D 24名;対照14名)と、3回目のブースター接種を受けた小児(T1D 11名;対照9名)の中和抗体反応を比較したところ、ブースター接種により、先祖伝来のSARS-CoV-2株に対する中和抗体価は上昇したが、予想外にもオミクロン系統の変異株に対する中和抗体価は上昇しなかった。一方、成人ではブースター投与によりオミクロン変異体に対する中和抗体価が上昇した。