マクロファージ活性化症候群におけるI型インターフェロンのシグネチャーと循環リンパ球。
DOI:10.1172/JCI165616
アブストラクト
背景マクロファージ活性化症候群(MAS)は、明らかな免疫細胞の活性化とサイトカインストームを特徴とするスティル病(SD)の生命を脅かす合併症である。METHOD我々は、バルクRNA-SeqおよびシングルセルRNA-Seq(scRNA-Seq)を用いて、健常対照群およびMASの有無にかかわらずSD患者のPBMCをプロファイリングした。得られた知見をマスサイトメトリー、フローサイトメトリー、in vitro試験により検証し、拡大した。結果SDに伴うMAS患者のPBMCのバルクRNA-Seq解析では、健常対照群およびMASを伴わないSD患者と比較して、予想されるIFN-γシグナルに加えて、I型インターフェロン(IFN-I)シグナル伝達および細胞増殖に関連する遺伝子の強い発現が明らかになった。65,000以上のPBMCのscRNA-Seq解析により、IFN-IおよびIFN-γシグネチャーが確認され、細胞増殖シグネチャーはCD4+ T細胞、CD8+ T細胞、NK細胞集団内のCD38+HLA-DR+細胞の循環に局在した。CD38+HLA-DR+リンパ球は、顕著なIFN-γ産生、解糖、mTORシグナル伝達を示した。細胞間相互作用のモデル化により、IFN-γシグナルを介してCD38+HLA-DR+リンパ球と単球をつなぐネットワークが示唆された。注目すべきことに、MASにおけるCD38+HLA-DR+リンパ球の増加は、小児の他の全身性炎症状態よりも大きかった。PBMCのin vitro刺激により、IFN-IとIL-15(ともにMAS患者で上昇)が相乗的にCD38+HLA-DR+リンパ球の生成を増強する一方、ヤヌスキナーゼ阻害はこの反応を軽減することが示された。結論SDに伴うMASはIFN-Iの過剰産生によって特徴付けられ、このIFN-IはIL-15と相乗的に作用して、IFN-γを産生するCD38+HLA-DR+循環リンパ球を生成する可能性がある。