アルゼンチン、ブエノスアイレスの集団における炎症性腸疾患の発生率と有病率。
DOI:10.1016/j.gastrohep.2023.09.012
アブストラクト
背景:ラテンアメリカにおける炎症性腸疾患(IBD)の罹患率と有病率は、ここ数十年で大きく変化している。アルゼンチンではIBDの疫学データが少ない。
目的:ブエノスアイレス市の住民の2018年から2022年までのIBD罹患率と有病率を明らかにする。
材料と方法:2018年1月1日から2022年12月31日まで、2つの医療保険の全人口を調査した。可能性のある」IBD症例を以下の情報源を用いて同定した:IBDユニット患者データベース、電子カルテ、中央検査室電子データベース、病理組織学電子データベース、薬局電子データベース。クローン病(CD)、潰瘍性大腸炎(UC)およびIBDの年齢調整罹患率および有病率は、リスク集団と比較した患者数に基づいて推定し、10万人当たりで表した。IBD罹患率と有病率のトレンドは、年間変化率として推定した。ポアソン回帰モデリングを用いて、経時的なトレンドの有意性を算出した。
結果:情報源解析により172例の可能性が示され、最終的に82例のIBDが確認された:27.16%がCD、72.84%がUCであった。調査期間中のIBD、CD、UCの平均年齢標準化罹患率はそれぞれ11.93(11.28-12.55)、2.88(2.65-3.07)、9.05(8.83-9.2)であった。IBD、UC、CDの2022年12月31日時点の点有病率は、それぞれ134(95%CI 132.3-135.6)、98(96.95-99.52)、36(35.69-36.4)であった。
結論:ブエノスアイレスの集団におけるIBDの罹患率および有病率は、アルゼンチンの疫学研究でこれまでに発表されたものよりも高いことがわかった。