掲載日:
小児におけるアレルゲン免疫療法の安全性。
DOI:10.1097/ACI.0000000000000945
アブストラクト
総説の目的:本総説では、小児におけるアレルゲン免疫療法(AIT)の安全性について論じている。
最近の知見:AITは小児のアレルギー疾患に対して忍容性が高く、有効な治療法である。大部分は良好な忍容性を示すが、皮下免疫療法(SCIT)では160,000回に1回の割合で重篤な反応や致死的ともいえる反応が起こる可能性がある。舌下免疫療法(SLIT)は、局所的な副作用をより多く伴うが、アナフィラキシーを含む重篤な全身反応はほとんど報告されていない。インフォームド・コンセントの提供、重症の喘息やコントロールされていない喘息などの重篤な全身反応の危険因子の認識、重篤な反応のリスクの軽減は、AITの安全性を向上させるための重要な要素である。
まとめ:全体として、AITは小児において忍容性が高く、SCITを受けた小児における全身性反応の発生率は、成人患者と小児患者の混合集団と変わらないことがデータから示唆されている。SLITは全身性反応のリスクが少なく、口腔内局所の塗布反応は通常軽度で、治療後15日以内に消失する。