帝王切開によって誘発されたdysbiosisは2型免疫を促進するが、オキサゾロン誘発性皮膚炎は促進しない。
DOI:10.1080/19490976.2023.2271151
アブストラクト
帝王切開による出産(CS)は、腸内細菌叢(GM)のコロニー形成の変化と、その後の慢性炎症性疾患の高いリスクと関連している。帝王切開とアトピー性皮膚炎(AD)との関連を調べた研究は矛盾しており、交絡因子によってバイアスがかかっていることが多い。そこで本研究の目的は、マウスモデルにおいてCSとADの関連を実験的に証明し、CSに伴うGMの変化の役割を明らかにすることである。CS投与マウス、およびヒトCS-GM移植マウスは、初期のディスバイオシスにより重度の皮膚炎を発症するという仮説が立てられた。CSまたは経膣(VD)分娩されたBALB/cマウス、およびCSまたはVDヒトドナーからのGMを移植されたBALB/cマウスは、耳上でオキサゾロンでチャレンジされた。皮膚炎の重症度は、耳の厚さ、臨床的および病理組織学的評価によって評価した。免疫反応は、血清IgE濃度、局所サイトカイン反応、排出リンパ節中の免疫細胞の存在によって評価した。CSを投与したマウスとヒトCS-GMを接種したマウスはともにIgE濃度が高かった。CS-GMを接種したマウスではTh2細胞の割合も高かったが、患耳のサイトカインレベルに差は見られなかった。実験結果の裏付けとして、GMサンプルが得られたヒトのコホート分析では、送達様式は子供のAD発症リスクに影響しないことがわかった。結論として、CS-GMはTh2に偏った免疫反応を増強したが、マウスのオキサゾロン誘発皮膚炎には影響を及ぼさなかった。