重症眼外傷に対する折りたたみ式被膜硝子体による眼球形態維持に関する研究。
DOI:10.1186/s12886-023-03209-4
アブストラクト
目的:重度眼外傷やシリコーンオイル依存眼に対する折りたたみ式被膜硝子体(FCVB)の使用可能性と安全性を検討する。
方法:2018年5月1日から2019年5月31日までに河北眼科病院眼科救急科に来院した眼外傷患者(61眼)の後方視的研究であり、男性患者(51眼)、女性患者(10眼)、平均年齢44.98±14.60歳であった。最高齢は75歳、最年少は8歳であった。これらの症例は、重度の眼球破裂を起こした51眼と、重度の複雑な眼外傷を負い、術後にシリコンオイル依存症となった10眼であった。これらの患者はFCVBインプラントを受け、視力、眼圧、眼軸の変化、角膜、網膜、FCVBの状態に関するデータが術後に記録された。
結果:すべての患者において、FCVBは網膜と適切に位置決めされ、支持されていた。61人の患者全員が1~36ヶ月の経過観察を行ったが、視力に重要な変化は見られなかった。患者のうち91.8%が正常眼圧を報告し、網膜再接着率は100%に達し、眼球萎縮抑制率は100%に達した。FCVBの破裂、シリコーンアレルギー、眼内感染、眼内出血、シリコーンオイル乳化症、交感神経性眼症の報告はなかった。
結論:天然の硝子体を模倣してデザインされた折りたたみ式被膜硝子体(FCVB)は、術後に特別な姿勢をとることなく網膜を持続的に支持できる長期的な眼インプラントとして適している。そのバリア機能は、タンポナーデの保持時間を効果的に延長し、眼球組織とタンポナーデの直接接触によって引き起こされる様々な合併症を予防する可能性がある。