帝王切開と小児・思春期の喘息との関連:コホート研究に基づく系統的レビューとメタ分析。
アブストラクト
背景:帝王切開(CS)が子供の喘息の危険因子であるかどうかについては議論がある。本研究の目的は、小児・思春期における帝王切開と喘息との関連を調べることである。
方法:Pubmed、Embase、Web of Science、Cochrane Libraryの電子データベースを用いて、2023年2月までの小児/思春期における分娩様式と喘息との関係に関するコホート研究を検索した。CSによる出産を曝露因子とみなした。喘息発症率はその結果とした。
結果:35件のコホート研究(前向きコホート研究13件、後ろ向きコホート研究22件)が含まれた。その結果、喘息発症率は経腟分娩(VD)群よりもCS児群で高かった(オッズ比(OR)=1.18、P<0.001)。部分的なサブグループ解析では、経膣分娩(VD)群と比較して、CSで出生した女性(OR=1.26、P<0.001)で喘息の発生率が高かったが、男性(OR=1.07、P=0.325)では差がなかった。ヨーロッパ(OR=1.20、P<0.001)、北米(OR=1.15、P<0.001)、オセアニア(OR=1.06、P=0.008)では、喘息罹患率はVD群よりCS群で高かった。この傾向はアジア人では認められなかった(OR = 1.17, P = 0.102)。アトピー性喘息の発症率は、VD群と比較してCS群で高かった(OR=1.14、P<0.001)。CS群では持続性喘息の発生率が高かったが、その差は統計学的有意差には達しなかった(OR = 1.15, P = 0.063)。
結論:このメタアナリシスでは、CSはVDと比較して、小児・青年期における喘息の危険因子である可能性が示唆された。CSと喘息の関係は、性別と地域によって影響を受けた。
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