血清成長分化因子-15(GDF-15)はCOVID-19の小児における心臓症状のバイオマーカーである。
アブストラクト
背景:COVID-19は、様々なサイトカイン(サイトカインストーム)を介する一部の患者において重篤な過剰炎症を引き起こし、通常、心血管症状を伴う重症化をもたらす。成長分化因子-15はストレスによって誘導されるサイトカインであり、肺や心臓の炎症過程に関連している。本研究は、COVID-19の小児における血清成長分化因子(GDF-15)レベルを測定し、COVID-19の重症度、心疾患および転帰と相関させることを目的とした。
方法:COVID-19と診断された小児72名と健常児72名の計144名を対象に横断研究を行った。COVID-19の重症度は臨床的、検査的、X線学的に評価された。COVID-19患者には入院後48時間以内に心エコー検査を行った。血清GDF-15は患者と対照の両方についてELISAで測定した。
結果:血清GDF-15値はCOVID-19患者で対照群より有意に高かった(p<0.01)。重症のCOVID-19患者、PICUに入院した患者、および死亡した患者において、血清GDF-15値はより高かった。心臓症状を有する患者は、そうでない患者よりも有意に高い血清GDF-15値を示した。COVID-19の小児において、GDF-15の増加は、多変量線形回帰分析を用いて、より不良な駆出率およびより高いINRと相関した。
結論:血清GDF-15はCOVID-19の有望なバイオマーカーであり、COVID-19および重症の小児における心臓症状の予測因子として使用できる。
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