新生児スクリーニングにおける甲状腺刺激ホルモンの四分位レベルは、極早産児における神経発達障害のリスクを層別化した:集団コホート研究。
DOI:10.2188/jea.JE20230253
アブストラクト
背景:出生時および退院時の新生児スクリーニング(NBS)で測定した甲状腺刺激ホルモン(TSH)が、極早産児の神経発達障害(NDI)の代用マーカーとなり得るかどうかを検討する。
方法:集団コホートには、台湾南部で2008年から2020年にかけて妊娠29週未満で出生した乳児を登録した。母体に甲状腺障害の既往がある乳児と入院中にサイロキシン補充を必要とした乳児は除外した。出生時および満期相当年齢(TEA)/退院時のNBSで測定されたTSH値は、それぞれ最低四分位値、四分位範囲間、最高四分位値に分類され、NDIの転帰と相関した。
結果:一対のTSHデータが得られた392例のうち、358例(91%)を24ヵ月齢まで前向きに追跡した。出生時、TSHが最低四分位範囲の乳児は、四分位範囲間の乳児に比べてNDIリスクが高かった(オッズ比[OR]2.3;95%信頼区間[CI]、1.3-4.1、P = 0.004)。逆に、TEA/退院時には、TSHが最高四分位の乳児はNDIが増加していた(OR 1.9;95%CI、1.0-3.4、P = 0.03)。一対のTSHカテゴリー別にみると、TSHの最低四分位群に持続的にいる乳児(48%;aOR 4.4;95%CI、1.4-14.5、P = 0.01)および四分位範囲間から最高四分位群に移行した乳児(32%;aOR 2.7;95%CI、1.0-7.4、P = 0.046)は、四分位範囲間のTSHが一定である基準と比較してNDIリスクが増加していた。
結論:出生時および退院時のTSH値が持続的に最低四分位値であった超早産児は、NDIリスクが最も高かった。NBS中に測定されたTSH四分位値は、極早産児のNDIリスクを評価するための集団代替バイオマーカーとして役立つ可能性がある。
会員登録すると記事全文を読むことができるほか、「NEJM Journal Watch」や「国内論文フルテキスト」といった会員限定コンテンツを閲覧できます。