吃音児の臨床サンプルにおける睡眠障害のリスク。
DOI:10.1016/j.jfludis.2023.106036
アブストラクト
目的:これまでの研究で、吃音者の睡眠問題の有病率が高いことが示されている。しかし、これらの睡眠障害が具体的にどのようなものであるかについては、知識が不足している。
方法:6歳0ヵ月から12歳9ヵ月の吃音児(CWS)50名と、年齢・性別をマッチさせた対照者50名を本研究に参加させた。保護者は、吃音および/または睡眠問題以外の併存疾患を報告しなかった。睡眠問題は、標準化された質問票を用いて調査された。この質問票には、睡眠問題全体および6つの下位尺度(すなわち、入眠障害および睡眠維持障害、睡眠呼吸障害、覚醒障害、睡眠覚醒移行障害、過度の傾眠障害、睡眠時多汗症)のそれぞれについて、睡眠問題のリスクを識別するためのカットオフスコアが示されている。カットオフ以上の得点は睡眠障害を示唆する。
結果:21人のCWSが睡眠質問票でカットオフ値より高い得点を示したのに対し、対照群ではわずか2人であった(p<0.00001)。特に、睡眠開始および維持障害、睡眠覚醒移行障害(特にジャーキング、寝言、ブラキシズム)、過度の傾眠障害において、CWSは対照群より高得点であった(p<0.0083、多重比較補正後)。
考察:対照群と比較して、CWSは睡眠障害のリスクが高い。今回の知見は、CWSにおける睡眠障害に関する現在の知見を確認し、また拡大するものである。方向性の可能性と臨床的意義について考察する。