ターナー症候群女児における思春期誘導期の成長:レトロスペクティブ・コホート解析。
DOI:10.1210/clinem/dgae071
アブストラクト
背景:ターナー症候群(TS)患者はしばしば低身長と卵巣機能不全を呈する。成人身長(AH)を最大にするための最適な思春期誘導法は不明である。
目的:成長およびAHに関連する思春期誘発に関する変数を同定する。
方法:4次小児病院のTS専門クリニックに通院する患者を対象としたこのレトロスペクティブコホート分析では、2015年から2021年の間に同クリニックに通院したTS患者(n=107)を対象とした。そのうち51例が思春期誘発のためにエストラジオールを投与されていた。主なアウトカム指標は、思春期誘発およびAH中の身長SDスコア(ΔHeightSDS)の変化であった。思春期誘発時の年齢、骨年齢の遅れ、中親身長(MPH)、成長ホルモン治療、核型をAHとΔHeightSDSの予測因子として評価した。核型と合併症との関連も評価した。
結果:AHはMPH(0.8cm/cm、P = 0.0001)と骨年齢の遅れ(-1.84cm/年、P = 0.006)によって予測された。ΔHeightSDSは成長ホルモン投与量(0.09SDS/mg/m2/week;P = 0.017)、骨年齢の遅れ(-1.37SDS/year;P = 0.003)、思春期誘発年齢(0.44SDS/year;P = 0.001)によって予測された。骨年齢の遅れと思春期誘発年齢との間には交互作用があり(P = 0.013)、思春期誘発年齢が若いことと骨年齢の遅れが少ないことの組み合わせは、より低いΔHeightSDSと関連していた。核型はAHやΔHeightSDSには影響しなかったが、他の合併症の発生率には影響した。
結論:TS患者における思春期誘発の時期に関する決定は、個人に合わせて行われるべきである。身長を損なうことなく生理的な方法で思春期誘導を促進するためには、エストロゲン補充に対する現在のアプローチを改良する必要がある。