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小児炎症性腸疾患における医療サービス利用と専門医ケア:多県にわたる集団ベースのコホート研究。

DOI:10.1093/ibd/izae010

アブストラクト

背景:炎症性腸疾患(IBD)の小児患者数は増加の一途をたどっており、小児における医療サービスの利用パターンを理解することは重要である。我々は、10歳未満(パリ分類:A1a)と10歳以上16歳未満(A1b)と診断された小児における医療サービスの利用と手術を比較した。

方法:カナダ5州(アルバータ州、マニトバ州、ノバスコシア州、オンタリオ州、ケベック州)の決定論的にリンクされた医療行政データから、検証されたアルゴリズムを用いて16歳未満と診断されたIBD発症例を同定し、後ろ向きコホート研究を実施した。IBDに特異的な外来受診、救急外来受診、入院の頻度を、負の二項回帰を用いて年齢群間(A1aとA1b[参考])で比較した。手術リスクは、Cox比例ハザードモデルを用いて年齢群間で比較した。モデルは、性別、農村部/都市部の居住地、および近隣の平均所得五分位数で調整した。州別の推定値はランダム効果メタ解析を用いてプールした。

結果:本研究の対象となったIBD患児1165例(65.7%クローン病)において、入院頻度(rate ratio [RR]、0.88;95%信頼区間[CI]、0.74-1.06)および外来受診頻度(RR、0.95;95%CI、0.78-1.16)に年齢差はなかった。A1a群では救急外来の受診が少なく(RR、0.70;95%CI、0.50-0.97)、クローン病関連の手術を必要とする可能性が低かった(ハザード比、0.49;95%CI、0.26-0.92)。大腸切除のリスクは、両年齢群の潰瘍性大腸炎の小児で同程度であった(ハザード比、0.71;95%CI、0.49-1.01)。

結論:年齢群を超えて診断された小児を比較した場合、医療サービスの利用パターンは概して類似している。

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