英国南西部における過去10年間の小児炎症性腸疾患罹患率の持続的増加。
DOI:10.1093/ibd/izad302
アブストラクト
背景:小児炎症性腸疾患(pIBD)の罹患率は過去25年間で増加している。我々は、英国南西部における同時期の傾向を報告することを目的とする。
方法:英国南西部(ブリストル、オックスフォード、カーディフ、エクセター、サウサンプトン)をカバーする施設からデータが提供された。症例は2013年から2022年まで検索された。発症率はリスク人口100,000人当たりで報告され、相関関係により時間的傾向が分析された。年齢群(0~6歳、6~11歳、12~17歳)、性別、疾患サブタイプについてサブグループ解析を行った。各地区の地図が作成された。
結果:2013年から2022年の間に2497例のpIBDが診断され、平均年齢は12.6歳(女性38.7%)であった。診断数は187例から376例に増加し、それに対応する罹患率は人口10万人あたり年間6.0例(2013年)から12.4例(2022年)であった(b = 0.918、P < 0.01)。女性の発生率は、2013年の人口10万人当たり年間5.1人から、2022年には人口10万人当たり年間11.0人に増加した(b = 0.865、P = 0.01)。男性の罹患率は、人口10万人当たり年間5.7人から人口10万人当たり年間14.4人に増加した(b = 0.832, P = 0.03)。クローン病は人口10万人当たり年間3.1人から6.3人に増加した(b = 0.897, P < 0.01)。潰瘍性大腸炎は人口10万人当たり年間2.3人から4.3人に増加した(b = 0.813, P = 0.04)。未分類の炎症性腸疾患も増加し、人口10万人当たり年間0.6人から人口10万人当たり年間1.8人に増加した(b = 0.851、P = 0.02)。12〜17歳では統計的に有意な増加がみられ、人口10万人当たり年間11.2人から24.6人へ(b = 0.912、P < 0.01)、7〜11歳では人口10万人当たり年間4.4人から7.6人へ増加した(b = 0.878、P = 0.01)。超早期発症の炎症性腸疾患(6歳以下)では統計的に有意な増加はみられなかった(b = 0.417、P = 0.231)。
結論:複数の紹介施設を含む広い地域で、pIBD発症率が有意に増加していることが示された。罹患率の増加は、pIBDを管理するサービスの提供に影響を与える。