アラジール症候群の小児における脳血管画像の進展と関連する臨床所見。
DOI:10.1007/s00234-024-03316-z
アブストラクト
目的:アラジール症候群(ALGS)は多系統の常染色体優性疾患であり、その発現は非常に多様である。頭蓋内動脈および静脈の異常は30~40%の有病率と報告されており、脳卒中のリスクを16%増加させる。ALGSの小児における脳血管異常(CVA)の頻度と経過を記録した報告はほとんどない。われわれは、磁気共鳴血管造影法(MRA)を用いて、ALGS患児におけるCVAのスペクトル、頻度、および経過を明らかにすることを目的とした。
方法:大規模な3次小児病院において、単施設の後方視的研究を行った。CVAは4つのカテゴリーに分類した:1)狭窄または狭小化、2)動脈瘤および外膜症、3)捻転、4)血管異常および解剖学的変異である。
結果:32人の小児が組み入れ基準を満たした。初診時の年齢中央値は6歳(3.8-10.3歳)であった。13例(40%)が平均55ヵ月(31.5-66ヵ月)に追跡MRIを受けた。18例(56%)にCVAが認められ、最も多かったのはグループ1(n=12、37.5%)であった。CVAはもやもや動脈症(MMA)の1例を除いて経時的に安定していた。1例は塞栓イベントによる一過性脳虚血発作であった。3例(9.3%)にはファロー四徴症に続発する微小出血が初診時にみられた。別の患者は原因不明の硬膜下血腫を再発した。
結論:CVAはMMAを除いて安定していた。高齢のALGS患者で報告されている血管性脳卒中は、16歳未満の小児では来院時および31.5~66ヵ月の追跡期間中ともに一般的な特徴ではなかった。