小児炎症性腸疾患における疾患活動性指標の操作特性:系統的レビュー。
DOI:10.1093/ibd/izae060
アブストラクト
背景:小児炎症性腸疾患(pIBD)の薬剤承認や治療法を効率化するためには、正確で信頼性が高く、反応性の高い疾患活動性指標が重要である。我々は、小児炎症性腸疾患(pIBD)のランダム化比較試験(RCT)で使用されたすべてのスコアリング指標を同定し、その操作特性を評価することを目的とした。
方法:2022年12月6日にMEDLINE、EMBASE、CENTRALを検索し、クローン病(CD)、潰瘍性大腸炎(UC)を含むpIBDにおける臨床、内視鏡、画像、患者報告アウトカム指標(PROM)を評価した研究を同定した。妥当性、信頼性、反応性、実現可能性をまとめた。
結果:pIBDの指標を評価した70のRCTが同定された。41の研究が14の指標(n=9 CD、n=5 UC)の操作特性について報告している。小児クローン病活動性指標(Pediatric Crohn's Disease Activity Index:PCDAI)は、妥当性と信頼性の点で大きなばらつきがあり、全体として実現性は低かった。対照的に、便中カルプロテクチンを含む粘膜炎症非侵襲性指標はPCDAIよりも優れた操作性を有していた。簡易内視鏡的クローン病粘膜評価は、より長い簡易内視鏡的クローン病スコアと比較して、より実現可能であり、類似した操作性を有していた。小児潰瘍性大腸炎活動性指標は実行可能で、有効で、信頼性が高かったが、反応性はさらに評価する必要がある。Endoscopic Mayo scoreとUlcerative Colitis Endoscopic Index of Severityは信頼できるが、妥当性と反応性はさらに評価する必要がある。画像診断とPROM/QOL指標はさらなる評価が必要である。
結論:pIBDの臨床試験エンドポイントの操作特性は様々であった。これらの結果は、さらなる検証と新規指標の開発の必要性を強調している。