ACAN遺伝子変異患者の遺伝子型と表現型:3症例と文献レビュー。
アブストラクト
目的:家族性低身長を引き起こすACAN変異体患者の表現型スペクトラム、診断、成長促進療法に対する反応を明らかにする。
方法:家族性低身長を引き起こすACAN変異体を持つ3家族が報告された。文献にある同様の症例を要約し、遺伝子型と表現型を解析した。
結果:ACAN遺伝子のc.757+1G>A(スプライシング)、c.6229delG、p.(Asp2078Tfs*1)、c.6679C>T、p.(Gln2227*)の3つの新規ヘテロ接合体変異が同定された。文献およびわれわれの3症例から、105家族から314人のヘテロ接合型変異体、4家族から8人のホモ接合型変異体がACAN変異体であることが確認された。われわれの3症例を含め、報告されたバリアントは、33のフレームシフト型、39のミスセンス型、23のナンセンス型、5つのスプライシング型、4つの欠失型、および1つの転座型であった。変異点は遺伝子全体に散在しているが、エクソン12、15、10が最も多かった(それぞれ25/105、11/105、10/105)。異なる家系に存在するいくつかの同一変異はホットバリアントである可能性があり、c.532A>T, p.(Asn178Tyr), c.1411C>T, p.(Gln471*), c.1608C>A, p.(Tyr536*), c.2026+1G>A, (スプライシング), c.7276G>T, p.(Glu2426*) であった。低身長、早期発症の変形性関節症、腕内障、中顔面低形成、早期成長停止が共通の表現型特徴であった。rhGH(およびGnRHa)治療を受けた48人の小児の身長は、治療前と比較して有意に改善した(-2.18±1.06SD対-2.69±0.95SD、p<0.001)。rhGH(およびGnRHa)治療を受けた小児の身長は、未治療の成人の身長と比較して有意に改善した(-2.20±1.10SD vs. -3.24±1.14SD、p<0.001)。
結論:本研究は、ACAN変異体の表現型スペクトラム、診断、管理について新たな理解を得るものであった。ACAN変異体を有する患者の明確な遺伝子型-表現型の関係は見いだされなかった。低身長の原因となるACAN変異体の診断には遺伝子配列の決定が必要である。一般に、適切なrhGHおよび/またはGnRHa療法は、ACAN変異体によって罹患した小児患者の成人身長を改善することができる。