特発性低身長の新規治療法の研究:エクソソームナノ粒子を用いた成長板へのsiRNAおよび成長ホルモンデリバリーの標的化。
DOI:10.1002/advs.202309559
アブストラクト
特発性低身長症(ISS)は一般的な小児疾患であるが、その根本的な原因はほとんど不明である。最近の研究では、様々な疾患の病因における循環エクソソームの役割が強調されているが、ISSとの関連は未解明のままである。実験では、ヒト軟骨細胞をISS患者の血漿エクソソームと共培養し、軟骨細胞の成長と骨形成に障害をもたらした。特異的な長鎖ノンコーディングRNA(lncRNA)であるISSRLのレベルが上昇し、ISSの識別因子として同定され、高い特異性と感度を誇っている。ISS血漿エキソソーム中のISSRLをサイレンシングすると、軟骨細胞増殖と骨形成の阻害が逆転する。逆に軟骨細胞でISSRLを過剰発現させると、軟骨細胞の増殖と骨形成が阻害され、miR-877-3p/GZMB軸を介した作用機序が明らかになった。その後、ISSRLと成長ホルモンに対するカスタマイズされたsiRNAを搭載した、正確な軟骨標的能を有するエクソソーム(CT-Exo-siISSRL-oeGH)が作製されました。この革新的なアプローチは、成長板軟骨におけるノンコーディングRNAの異常発現を是正し、成長ホルモンを正確に送達して骨の成長を促進することで、ISSに対処する治療戦略を提供します。この研究は、ISSの診断と治療に関する貴重な洞察を提供し、人工エクソソームの可能性を強調するものである。